泡盛の定義(泡盛の表示に関する公正競争規約 第二条)
  「泡盛」とは、酒税法第三条第五号に規定するしょうちゅうであって、同法第四条に定めるしょうちゅう乙類のうち、黒こうじ菌(白色変異株を除く。)を使用した米こうじと水を原料として発酵した一次もろみを単式蒸留機をもって蒸留したものをいう。

酒税法 第三条第五号
  「しょうちゅう」とは、アルコール含有物を蒸留した酒類で、アルコール分が四十五度以下(連続式蒸留機により蒸留したものについては、アルコール分が三十六度未満)のものをいう。

酒税法 第四条
  しょうちゅう甲類:蒸留の方法が連続式蒸留機によるしょうちゅう
しょうちゅう乙類:しょうちゅう甲類以外のしょうちゅう
 


  蒸した米に麹菌を生やしたものを米麹といいますが、泡盛では米麹を造るのに黒麹菌が使われます。現在使われている主要な黒麹菌の中には、学名にアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)とつけられている菌があるほど、黒麹菌は泡盛に特有なものです。
九州を中心とする焼酎には主に白麹菌が使用されていますが、これは泡盛に使われる黒麹菌が変異したものです。黒麹菌が九州にもたらされたのは1907年(明治40年)で、それまで焼酎の麹は、清酒と同じ黄麹菌でつくられていました。
黒麹菌の大きな特徴はクエン酸を豊富に産生する点にあります。酸の多い麹で仕込んだもろみは雑菌が繁殖しにくく、気温の高い沖縄でも、もろみを腐らせる心配がありません。また、黒麹菌は生デンプンを分解する力が黄麹菌よりも優れているといわれています。このような黒麹菌により、香り高い独特の風味が生み出されます。
年間の平均気温が22度以上で、平均湿度が70パーセント以上ある沖縄の気候。この沖縄で泡盛を造るためには、黒麹菌はなくてはならないものなのです。


  水以外の原料としては麹だけを使った仕込み法のことを全麹仕込みといい、泡盛ではこの方法を用いています。
泡盛の仕込み法では、タイ米と黒麹菌でつくった米麹に水と酵母を加えてもろみをつくり、発酵させます。一方、本格焼酎の場合は、まず初めに米や大麦などでつくった麹に水と酵母を加えて一次もろみをつくり、次に主原料である大麦や甘藷などを蒸したものと水を加えて二次もろみをつくり、発酵させます。すなわち、泡盛の場合は、後から主原料を加える二次もろみの工程がなく、米麹が全ての原料ということになるのです。
本格焼酎の仕込み法では、二次もろみの段階で大量の主原料と水が加わるため、麹の酸は一次もろみの四分の一程度まで薄まります。麹の酸は雑菌の繁殖を抑える働きをしますが、酸の濃度が低くなれば、それだけ雑菌による汚染の危険性が高まります。
気温の高い沖縄で一年中泡盛を造ることができるのは、黒麹菌が産生するクエン酸を最大限に生かした全麹仕込みを考案した先人の知恵の賜物です。また全麹仕込みだからこそ泡盛は濃醇な味わいがあり、熟成して古酒になればなるほどおいしくなるのです。


  沖縄の地酒として有名な「泡盛・あわもり」。この名前ってちょっと変わっていると思いませんか?
どうしてこのような名前になったのか。その由来を探ってみましょう。

「泡」由来説

  泡盛はアルコール度数が高いほど、蒸留の際の泡立ちが多く、その泡が盛んに盛り上がる様子から「泡盛」となったという説です。
また、昔、酒屋が泡盛の度数を見るのに蒸留後の酒を茶碗から茶碗に移したり、酒をひしゃくですくい取って上から甕にこぼし、その泡立ち具合を見て、アルコールの強さを計ったといいます。この計り方を「アームイ」、つまり「泡を盛らせる」が転じて「泡盛」になったとも言われています。

原料起源説(「粟」由来説)

  泡盛を造るのに、原料として粟を用いたことからくる説です。現在はタイ米によって造られていますが、かつては粟でも造られていました。粟で焼酎を造ったので「あわもり(粟盛り)」と言い、それが「泡盛」になったというものです。

薩摩命名説

  薩摩藩が、琉球の焼酎を九州の焼酎と区別するために名付けたとする説です。江戸時代、酒粕で造った焼酎が知られるようになり、薩摩藩が琉球の焼酎を特に強調し、商品価値を高めるために「泡盛」と命名したというものです。

サンスクリット語由来説

  古代インドの文語であるサンスクリット語で、酒のことを意味する「アワムリ(awamuri)」に由来するという説です。

以上のような諸説がありますが、蒸留酒の製法の過程に通じる「泡を盛る」技法が、中国西南部地域や東南アジアに広く分布していることなどから、現段階では「泡」由来説が有力となっています。



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