■もろみ酸の製品化を図り、市場拡大に取り組む。
 

 泡盛づくりの最大の特徴は、黒麹菌を使用することである。黒麹菌は、主に柑橘類に含まれる有機酸である「クエン酸」を生成する。ちなみに、暑い沖縄で一年中泡盛をつくる事ができるのは、殺菌効果の高いこのクエン酸によるものだとされている。
 私は、このクエン酸を含む有機酸溶液のことを、〈もろみ酸〉と命名し、清涼飲料や調味料としての製品化に取り組んだ。黒麹菌による黒っぽい色を琥珀色に変え、もろみ酸独特の酸っぱい味、香りに黒糖を加えマイルドにした。
 昭和四十八、九年頃から、弊社は泡盛の他に、もろみ酸商品の展示即売を行うようになった。なかでも清涼飲料である「もろみ酸スイート」は、その爽快な飲み心地と黒糖の甘味により、子供たちの多くが美味しいと答えてくれた。
 私は、もろみ酸は必ずや市場拡大が見込める商品だと確信し、機器の設備投資を行い、工場も首里から現在の西原町へ移転させた。その後、沖縄県産業まつり出展、県外では幕張メッセで行われた「食品総会フェア」等で試飲即売を行うなど、地道に商品認知や売上向上の努力を続けた。
 平成六年頃になると、健康酢商品などの話題に伴い、クエン酸の効能が注目されるようになった。さらに、本格的な健康食品ブームが到来、クエン酸成分のもろみ酸商品は、高い評価を受けた。そして、その飲みやすさと相まって、もろみ酸商品の市場は急速に拡大していったのである。

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昭和10年、台湾生まれ。東京農業大で酒造りを学び、先代創業の石川酒造場の跡を継ぐ。伝統的なカメ仕込み製法の泡盛づくりを行う一方、廃液処理問題にいち早く注目、製品化を含めた様々な活動を続けてきた。泡盛業界全体の振興、発展に関わる問題に取り組んでいる。


お酒は20歳になってから
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